インフルエンザ治療薬の費用対効果

2019年9月4日水曜日

インフルエンザ タミフル 薬の費用対効果

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インフルエンザとは

インフルエンザは秋から冬の気温と湿度が下がってくる季節から流行が始まる感染症です。主な症状は、悪寒、高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛です。
原因はインフルエンザウイルスなので、抗ウイルス効果のある薬を使って治療することが有効と言われています。細菌性の感染症ではないので、抗生物質では効果がありません。

インフルエンザ治療薬の種類

オセルタミビル (商品名 タミフル®など) 内服薬 投与期間5日間
ザナミビル   (商品名 リレンザ®)   吸入薬 投与期間5日間
ラニナミビル  (商品名 イナビル®)   吸入薬 投与期間1回
ペラミビル   (商品名 ラピアクタ®)  注射薬 投与期間1日間(症状によって連日)
バロキサビル  (商品名 ゾフルーザ®)  内服薬 投与期間1日間

想定患者像

一般的なサラリーマン風な患者像をイメージして考えてみます。

30歳 会社員
男性
基礎疾患なし

急激な発熱があり、インフルエンザを疑い家の近くのクリニックを受診しました。

処方された薬は以下の通り
タミフルカプセル75mg 2カプセル 1日2回 5日分

治療にかかる費用

【クリニック】
初診料             282点
インフルエンザウイルス抗原定性 143点
免疫学的検査判断料       144点
鼻腔・咽頭拭い液採取料     5点
処方箋料            68点

合計              642点 

実際に会計で支払うのは6,420円の3割負担なので1,930円

【薬局】
調剤基本料  41点
薬学管理料  53点
調剤料    25点
薬剤料   (タミフル®で調剤した場合)272点
      (ジェネリックで調剤した場合)136点

合計   (タミフル)391点
     (ジェネリック)255点 

会計金額は、タミフルで1,170円、ジェネリックの場合で770円

クリニックと薬局を合計すると2,700か3,100円となります。
3割負担でこの金額なので、総額(10割)だと約1万円です。
参考までにほかのインフルエンザ治療薬の場合は以下の通りになりますので、どの薬を使っても今回の計算を超える金額です。

タミフル,オセルタミビル「サワイ」,リレンザ,イナビル,ゾフルーザ,薬価

インフルエンザ治療薬の効果

インフルエンザ治療薬の効果とは何でしょうか?
一般的には、インフルエンザウイルスの増殖を抑えて早く治るようにする薬という認識で、病院や薬局でもそのように説明を受けると思います。
医療用医薬品の取り扱い説明書のような位置づけの添付文書を見てみます。

タミフルカプセル添付文書
添付文書には

【効能・効果】
〇A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防

と記載されていますが、ざっくりすぎてよくわかりません。
そこで、添付文書の臨床成績を見てみます。
臨床成績は医薬品を承認するときに、これだけ効果があるから有効だよというのを証明するためのデータです。

薬の効果を調べるために、薬効のないプラセボとの比較を行っています。



評価の項目は左の表ではインフルエンザ罹病期間(時間)となっています。
インフルエンザ罹病期間については、添付文書内で「全ての症状が改善するまでの時間」と定義しています。引用されている論文(※)によると、すべての症状とは(鼻症状,喉の痛み,咳,筋肉または関節等の痛み,倦怠感または疲労感,頭痛,悪寒または発汗)と書かれています。これらのすべての状態がなくなるまでの時間を指標として比較しています。
インフルエンザウイルス感染症に対するリン酸オセルタミビルの有効性および安全性の検討 ―プラセボを対照とした第 III 相二重盲検並行群間比較試験成績 ―柏木征三郎,他:感染症学雑誌 74:1044,2000

この時間が、オセルタミビル(タミフル)は70.0時間、プラセボは93.3時間となっていますので、その差は23,3時間。約1日です。
1日だけすべての症状が消失するまでの時間が短くなるというのが、この薬の効果とわかります。ただし、統計学のデータなので、すべての個人に当てはまるとは限りません。

費用対効果

個人負担の3,000円で、すべての症状がなくなるのが1日早くなる(かもしれない)権利を買うかどうかというのが、インフルエンザ治療をするときの値札みたいなものです。

今回の患者像にしたような、持病もなく、小児、高齢者、妊娠中でもないリスクの少ない世代の患者は、インフルエンザかもしれないと思っても、病院に行かずに使わなかった3,000円使わないという手もありのではないかと思います。3000円あれば何ができるかは人それぞれだと思いますが、簡単に出費できる金額ではないような気もします。
(もちろん、リスクが高い世代、体質の人は適切に受診をしてください)





解熱剤はドラッグストアでもamazonでも売ってるので、わざわざ病院にいかないのも選択肢として考えてみてはいかがでしょう。ちなみにタイレノールという商品が、医療用医薬品のカロナールという薬と同じアセトアミノフェンという成分の薬です。これを常備しておけば、薬なしでも93.3時間で治るので、体調が悪い中で無理に病院に行く必要もないと思います。

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