市販薬は病院でもらう薬より弱い?

2019年12月3日火曜日

OTC 医薬品 市販類似薬

t f B! P L
昨日のニュースに対するtwitterなどの反応で、市販薬は病院の薬より効果が弱いのではないかという意見がちらほらありました。
実際のところは昨日の投稿市販類似薬は保険対象外になるかもしれないで書いた通り、同じ成分が病院の処方でも市販薬でも使用されていることがよくあります。
もしかしたら、一般の人にはあまり知られていないのかもしれないので、このあたりの啓蒙活動も必要なのかもしれません。

風邪薬で検証してみる

今回は風邪薬と呼ばれるものを例にとって調べてみたいと思います。
風邪薬と呼ばれる医薬品の働きとしては、解熱作用、鼻炎を抑える、咳を抑える、痰切り、のどの腫れを改善するなどといったものがあり、市販薬ではそれらが組み合わせて含まれているものが多いです。

消炎鎮痛剤(解熱やのどの腫れ)

セレコックス錠100mg
カロナール錠200 200mg
ノイロトロピン錠4単位
ロキソニン錠60mg
トラムセット配合錠
ロキソプロフェン錠60mg「EMEC」
カロナール錠300 300mg
ロキソプロフェンナトリウム錠60mg「日医工」
ロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」
カロナール錠500 500mg
抗ヒスタミン剤(鼻炎)

ポララミン錠2mg
ペリアクチンシロップ0.04%
シプロヘプタジン塩酸塩シロップ0.04%「タイヨー」
ネオマレルミンTR錠6mg
アリメジンシロップ0.05%
ポララミンシロップ0.04%
ネオマレルミン錠2mg
メキタジン錠3mg「サワイ」
ニポラジン錠3mg
ゼスラン錠3mg
鎮咳剤(咳)

メジコン錠15mg
フスコデ配合錠
アストミン錠10mg
デキストロメトルファン臭化水素酸塩錠15mg「NP」
シーサール錠15mg
フスタゾール糖衣錠10mg
フスコデ配合シロップ
カフコデN配合錠
フラベリック錠20mg
アストマリ錠15mg
去痰剤

カルボシステイン錠500mg「トーワ」
ムコダイン錠500mg
カルボシステイン錠500mg「サワイ」
カルボシステイン錠250mg「サワイ」
カルボシステインシロップ小児用5%「テバ」
カルボシステイン錠250mg「トーワ」
ムコダイン錠250mg
ムコダインシロップ5%
カルボシステインDS50%「タカタ」
カルボシステインシロップ5%「タカタ」
上の表はそれぞれ第4回NDBオープンデータで公表されている薬効別の医薬品使用量の上位10品目です。

解熱鎮痛剤ではセレコックス、トラムセット、ノイロトロピンは解熱目的で使用されることはないので、カロナールとロキソプロフェンだけですが、いずれも同じ成分の薬は市販されています。

鼻の症状に対して使用される抗ヒスタミン剤ではシプロヘプタジンやメキタジンが含まれている市販薬はありませんが、ポララミン(クロルフェニラミン)は多くの市販薬に含まれています。

鎮咳剤については、アストミン(ジメモルファン)、フスタゾール(クロペラスチン)、フラベリック(ベンプロペリン)は市販されていませんが、メジコン(デキストロメトルファン)は市販薬があります。

去痰剤については上位10品目がすべて同じ成分のカルボシステインです。この成分が含まれている市販薬もあります。

おわりに

今回はランキングで一部を見ただけですが、風邪薬の成分については市販薬にも同じ成分が含まれているものは多くあります。病院でもらう薬を市販で買って対応するということは十分に可能です。

ただし、これらが必ずしも効果が優れているという主張ではありません。あくまで、処方で出ている回数が多い薬です。


また、含有量による効果の違いについては、それらの量による効果の違いのデータを比較しなければいけないので、今回は成分の種類だけに限定しました。


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