【新型コロナウイルス】オンライン診療&服薬指導についてまとめてみた

2020年2月28日金曜日

オンライン診療 遠隔医療 遠隔服薬指導 新型コロナウイルス 薬局

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コロナウイルス感染症対策の基本方針

25日に政府より発表されました。全体的な内容はhttps://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000599698.pdf で確認できます。

この(4)医療提供体制(相談センター/外来/入院)に以下のように書かれています。
風邪症状が軽度である場合は、自宅での安静・療養を原則とし、状態が変化した場合に、相談センター又はかかりつけ医に相談した上で、受診する。高齢者や基礎疾患を有する者については、重症化しやすいことを念頭において、より早期・適切な受診につなげる。風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、電話による診療等により処方箋を発行するなど、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制をあらかじめ構築する。

新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて


そして本日より具体的な事務連絡が厚生労働省より発せられましたのでまとめてみました。



1.電話や情報通信機器を用いて診療し医薬品の処方を行い、ファクシミリ等で処方箋情報 が送付される場合

・ 新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、慢性疾患等を有する定期受診患者等について、当該慢性疾患等に対する医薬品が必要な場合、感染源と接する機会を少なくするため、一般的に、長期投与によって、なるべく受診間隔を空けるように努めることが原則であるが、既に診断されている慢性疾患等に対して医薬品が必要になった場合には、電話や情報通信機器を用いて診察した医師は、これまでも当該患者に対して処方されていた慢性疾患治療薬を処方の上、処方箋情報を、ファクシミリ等により、患者が希望する薬局に送付し、薬局はその処方箋情報に基づき調剤する
注)処方箋情報のファクシミリ等による送付は、医療機関から薬局に行うことを原則とするが、患者が希望する場合には、患者自身が処方箋情報を薬局にファクシミリ等 により送付することも差し支えない

オンライン診療はそもそも慢性疾患で症状が安定している患者を対象としています。これは従来の考えと変わりはありません。処方箋情報をファクシミリ等により薬局に送付し、それに基づき調剤できるというのは通常のオンライン診療とは違います。

・ ただし、新型コロナウイルスへの感染を疑う患者の診療は、「視診」や「問診」だけでは診断や重症度の評価が困難であり、初診から電話や情報通信機器を用いて診療を行った場合、重症化のおそれもあることから、初診で電話や情報通信機器を用いた診療を行うことが許容される場合には該当せず、直接の対面による診療を行うこと

新型コロナウイルス感染が疑われる場合はオンライン診療はだめですよとのこと。

・ なお、新型コロナウイルスへの感染者との濃厚接触が疑われる患者や疑似症を有し新型コロナウイルスへの感染を疑う患者について、電話や情報通信機器を用いて、対面を要しない健康医療相談や受診勧奨を行うことは差し支えない。その場合、新型コロナウイルスを疑った場合の症例の定義などを参考に、必要に応じて、帰国者・接触者相談センターに相談することを勧奨することとする。

遠隔医療に関する用語の定義の理解が必要になるので、オンライン診療指針で定められいる用語の定義を別ページにまとめました。


2.医療機関における対応

・ 新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、電話や情報通信機器を用いた診療で処方する場合、慢性疾患等を有する定期受診患者等について、当該患者が複数回以上受診しているかかりつけ医等が、その利便性や有効性が危険性等を上回ると判断した場合において、これまでも当該患者に対して処方されていた慢性疾患治療薬を電話や情報通信機器を用いた診療で処方することは、事前に診療計画が作成されていない場合であっても差し支えないこととする。

オンライン診療では事前に、医師と患者のルールとして診療計画を作成することになっていますが、今回は特例として診療計画なしでやっても良いですよということだと解釈しています。

・ 電話や情報通信機器を用いた診療で処方する場合、患者の同意を得て、医療機関か
ら患者が希望する薬局にファクシミリ等により処方箋情報を送付することとして差し
支えない。

・ 医療機関は、処方箋を保管し、後日、薬局に当該処方箋を送付するか、当該患者が
医療機関を受診した際に当該処方箋を手渡し、薬局に持参させる

後日の期限がどのくらいなのかは明記されていないので何とも言えないです。オンライン診療では薬局に処方箋原本を郵送してから調剤することになっているので、今回のケースの参考にはなりません。そもそもファクシミリを処方箋として扱うので、ファクシミリが処方箋の有効期限内で薬局に届けば問題ないという解釈ができると思います。

・ 医師は、ファクシミリ等により処方箋情報を薬局に送付した場合は、診療録に送付
先の薬局を記録すること

普段とは違う記載事項なので漏れがないようにしないといけないです。

・ 医師は、3.により、薬局から、患者から処方箋情報のファクシミリ等による送付
があった旨の連絡があった場合にも、診療録に当該薬局を記録すること。この場合に、 同一の処方箋情報が複数の薬局に送付されていないことを確認すること

ファクシミリが処方箋なので、悪い言い方をすれば複写可能になってしまうので、この項目は重要です。薬局側も連絡を忘れず、医療機関側も重複のないように確認をしなければいけません。

3.薬局における対応

患者からファクシミリ等による処方箋情報の送付を受け付けた薬局は、その真偽を確認するため、処方箋を発行した医師が所属する医療機関に、処方箋の内容を確認する(この行為は、薬剤師法第 24 条に基づく疑義照会とは別途に、必ず行うこととする)。なお、患者を介さずに医療機関からファクシミリ等による処方箋情報の送付を直接受けた場合には、この確認行為は行わなくてもよい。

処方箋だけど原本じゃないという不思議な状態なので、確認が必要です。
患者からのファクシミリでは必ず行うというところがポイントですが、どうやって送信元を確認するかを決めておく必要がありそうです。

医療機関から処方箋原本を入手するまでの間は、ファクシミリ等により送付された処方箋を薬剤師法(昭和 35 年法律第 146 号)第 23 条~第 27 条、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和 35 年法律第 145 号)第 49 条 における処方箋とみなして調剤等を行う。

処方箋だけど原本じゃないという超法規的措置

調剤した薬剤は、患者と相談の上、当該薬剤の品質の保持や、確実な授与等がなされる方法で患者へ渡し、服薬指導は電話や情報通信機器を用いて行うこととしても差し支えない。また、長期処方に伴う患者の服薬アドヒアランスの低下や薬剤の紛失等を回避するため、調剤後も、必要に応じ電話や情報通信機器を用いて服薬指導等を実施する。

おそらくは宅配便業者等を使うことが多くなると思います。送料は患者と相談の上ですが、基本的には患者負担にしたほうがいいと思います。薬局までの交通費と同等程度の金額で宅配可能かと。今回はテレビ電話ではなくて、普通の電話でも良いとのこと。音声だけのやり取りになると慎重な確認が求められます。

・ 可能な時期に医療機関から処方箋原本を入手し、以前にファクシミリ等で送付された処方箋情報とともに保管すること。

ファクシミリも保管する必要があるようです。感熱紙の場合は消えないようにしないといけないかもしれません。





マーカーを引いてみたら、テスト勉強前の教科書みたいになってしまいました(笑)

そもそもこれを理解するためにはオンライン診療の指針や薬剤遠隔指導の概要を踏まえて赤字で解説的に書きましたが、そもそもの制度を理解していないと難しいような気がします。

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