2020年8月31日に厚生労働省より「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(案)」のパブリックコメントの結果が公表されました。
https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000205895
この中で薬局や薬局薬剤師の業務に関係がありそうなものの結果をピックアップしてみました。薬局における調剤録への服薬指導の要点の記入については薬歴で補完できそうになりそうなので現場としては重複の作業の心配はしなくてもよさそうです。
薬局制度に関わる改正
○ 継続的服薬指導を行う場合として、行う場合と行わなくてよい場合について、違いを明確にし、周知徹底すべき。
→継続的服薬指導を行うべき場合について、薬剤等の適正な使用のため、情報の提供又は指導を行う必要があると
その薬局において薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師が認める場合を定めており、
薬剤師の薬学的知見に基づき、個別具体的に判断されるべきものと考えています。
○ 継続的服薬指導について、全ての患者が対象になるのか。
○ 薬局利用者が継続的服薬指導の利用の有無を選択出来るようにしてほしい。
→そのため、
一律に全ての患者が継続的服薬指導の対象となることはありません、なお、患者本人が継続的服薬指導の利用有無を選択するものではないですが、継続的服薬指導の実施に当たっては、あらかじめ実施方法等に関して患者に説明しておく等の対応が考えられます。
○ 今回の継続的服薬指導について、病院や診療所の薬剤師には適用されないのか。
→また、薬剤師法(昭和 35 年法律第 146 号)第25 条の2第2項の規定に基づき、
病院や診療所に勤務する薬剤師に対しても、調剤した薬剤の適正な使用のため当該薬剤師が必要と認める場合における継続的服薬指導が義務づけられます。
○ 継続的服薬指導について、把握すべき患者情報を法律で定めるべきである。把握すべき患者情報に薬剤の種類や患者背景等は含まれるのか。また、検査値等についても確認すべきとして明記すべきではないか。
→把握すべき患者情報として、法律上「薬剤を購入し、譲り受けた者の当該薬剤の使用の状況」 を薬剤師に継続的かつ的確に把握させることとされており、法の委任を受けた省令において、 薬剤の服薬状況、服薬中の体調の変化その他継続的服薬指導のために薬剤師が必要と判断した事項を定めており、御指摘のような情報も含まれるものと考えています。
○ 個人情報の扱いにも配慮しつつ、薬局開設者は、薬剤師に、患者の連絡先についても記録させるべきと考える。
→省令上、薬局開設者は、薬剤師に、継続的服薬指導のために必要があると認めるときは、調剤した薬剤又は医薬品を購入した者等の連絡先を確認させることとしています。
○ 薬局製造医薬品について、継続的服薬指導の対象から除かれることに伴う規定の整備を行うとあるが、医薬品の正しい使用のために、書類を使用しての説明等を義務付けてほしい。
○ 薬局製造医薬品が継続的服薬指導の対象から除かれることについて、従前どおり販売時における情報提供や販売記録の周知徹底をお願いしたい。
→ 薬局製造医薬品を販売又は授与する場合には、従前より、薬剤師が、書面を用いて必要な情報の提供を行うことが義務付けられているとともに、薬局開設者は、医薬品を販売し、又は授与したときは、その品名や数量を書面に記載しなければならないこととされています。
これらの取扱いに変更はありませんので、引き続き制度について周知してまいります。
薬局の構造設備の基準に係る改正
○ 薬局製造販売医薬品の陳列設備において、要指導医薬品や第一類医薬品などと同じ陳列設備内に区別をして配置することが可能であるのか、詳しく説明してほしい。
○ 薬局製造医薬品を店内に陳列する際に、他の一般用医薬品と明確に区別して陳列するように徹底してほしい。
→薬局製造販売医薬品を調剤室以外の場所に陳列する場合には、要指導医薬品及び第一類医薬品の陳列設備と同様に、薬局製造販売医薬品を陳列するために適切な措置が講じられた陳列設備内において、要指導医薬品及び第一類医薬品と区別して薬局製造販売医薬品を配置することを可能としました本改正については、施行に向けて十分に周知してまいります。
○ 陳列区画の長さの基準についてわかりにくいので、「容易に侵入できない」等の表現であるべき。
→また、薬局製造販売医薬品の陳列区画については、長さに係る基準のほか、「薬局製造販売医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者等が進入することができないよう必要な措置が採られていること。」等の要件を規定しました。
○ 薬局製造医薬品については、従来通り調剤室内に保管しておくことが望ましいと考える。
→今般の改正は、薬局製造販売医薬品について、要指導医薬品及び一般用医薬品と同様に、調剤室の外にも陳列することができることとする改正を行ったものであり、従前のとおり調剤室内に保管することについては差し支えありません。
薬剤師に係る改正
○ 調剤後の服薬指導の要点を、調剤録へ記入する必要はなく、薬剤服用歴への記載で十分である。
→ 薬剤師法上、調剤時の記録に関しては調剤録に記入することとされているところ、実務運用上は、同法に基づき新たに調剤録へ記入すべきこととされた事項(服薬指導の要点等)に関しては、現行の医療保険制度に基づく薬剤服用歴へ記録及び保存がなされていれば足りる旨を、今後通知で示す予定です。
○ 薬歴に記載する服薬指導の要点とは具体的にどういうものであるのか。
→ また、服薬指導の要点として記載すべき具体的な内容については、薬剤師の薬学的知見に基づき、個別具体的に判断されるべきものと考えています。
〇 院内調剤を行う場合も、服薬指導の要点等について、調剤録に記載する必要があるのか。
→ 薬剤師法に基づく調剤録に係る規定は、薬局開設者及び薬局で調剤する薬剤師に対して適用されるものであり、医療機関の調剤所において調剤を行う場合は、当該規定は適用されません。
0 件のコメント:
コメントを投稿