そろそろ花粉症の薬が処方されはじめるようになりました。
この時期だと、まだ症状が出てる人は多くないのですが、アレルギーの薬は症状の出る前から使っていた方が効果的だというデータがあり、この時期から使い始めるのは有効です。
花粉症にも使われるアレルギーの目薬でインタール点眼液(一般名クロモグリク酸ナトリウム)というものがあります。
OTCにスイッチ化されて、現在はこの成分が含まれる市販薬もドラッグストアで売ってます。
大体1200~1500円くらいで販売されているものがそうです。
このインタール点眼液について、卸の人からとある質問をされました。
「インタール点眼液UDってどうなんですか?」とのこと。
今まで、インタール点眼液UDを調剤したことがなかったので、ちょっと勉強しました。
インタールUD点眼液は使い捨てタイプの剤形です。
ヒアレインミニみたいな感じです。
特徴は添加物に防腐剤が入っていないということ。
入っているのは等張化剤だけです。
防腐剤と言えば、ベンザルコニウムですが、これはソフトコンタクトレンズに吸着してしまうことが知られています。最近の目薬はベンザルコニウムの濃度が薄くなっているので、2週間までの使い捨てタイプなら、ベンザルコニウムが入っている点眼液を使っても臨床上問題はないとの言われています。
それでも1ヶ月以上着用するコンタクトレンズの場合はベンザルコニウムを含む目薬は使ってはいけません。
従って、インタール点眼液UDは使い捨てではないソフトコンタクトレンズ使用中でも使える目薬です。
しかし、ひとつ問題があります。
添付文書によると
本剤は「春季カタル、アレルギー性結膜炎」患者のうち、「ベンザルコニウム塩化物に過敏症の患者又はその疑いのある患者」に保険給付が限定されます。
となっています。
つまり、コンタクトレンズ着用だから処方というのは保険上は問題があるようです。
ソフトコンタクトレンズを使っていて、花粉症の人は、インタールUDを処方してもらうよりは、コンタクトレンズを使い捨てにして、通常の目薬を使ったほうがいいかもしれません。
最後に、現在日本のあるコンタクトレンズメーカーが、抗アレルギー薬が放出される設計のコンタクトレンズを開発しているようです。発売まではまだ2〜3年かかるみたいですが、期待できると思います。
管理人
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